軒にも防水工事は必要？重要性と施工方法について解説

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皆さんの住宅には軒がありますでしょうか。建物の外壁から出ている屋根の部分ですが、防水工事は必要であるかどうかわからないですよね。本記事では、軒の防水工事に関する情報をお届けしたいと思います。

軒先や軒下等「軒」と付く言葉は複数ありますが、正確にどこを指すのか分からない方も多いと思います。「軒」とは、屋根が外壁から飛び出した部分全体のことを指します。また、先端を軒先、軒の下側にできる空間のことを軒下、軒下から見上げた時に見える軒の裏側を軒天・軒裏などと呼びます。似たような言葉として「庇」もありますが、これは窓や玄関などの住宅の開口部分の上に設けられる屋根代わりのようなもののことを指します。

平たい屋根等デザイン性にこだわった住宅が増えてきて軒がない家や軒自体が短い家などがありますが、軒が果たす役割は以下のようなものが挙げられます。

• 紫外線や雨から外壁を守る：軒があることによって屋根から流れ落ちてきた雨水や紫外線などが直接外壁に当たることを避けることができます。外壁には塗装によって防水や耐候性能などがありますが、直接当たってしまうと劣化が進んでしまいます。これらを避けることによって外壁を長持ちさせることができます。
• 日差しをコントロールする：日差しが室内へ入り込む量によって室内の温度変化が左右されます。そのため、軒で入り込む日差しをコントロールすることによって適度な室温を保つことができます。
• 雨の浸入を防ぐ：軒と外壁の接合部分に水が侵入してしまうと雨漏りの源となる可能性があります。そのため、軒があることによって接合部分からの雨の侵入を防ぐことができます。これは軒ゼロの家であっても同様にいえることで、軒ゼロといってもごくわずかですが必ず軒は出ているのです。

色々な役割を果たす軒ですが、外壁や屋根のように建物の外部に直接露出しているため環境などの影響を強く受けてしまいます。そこで防水工事を行う必要性について詳しく解説していきます。

「雨水の侵入防止」

軒は屋根から流れ伝ってくる雨水を受け止める役割を果たしています。そのため、防水工事を行う必要があります。適切な防水層を形成していないと水が軒から外壁や建物内部へ侵入する可能性があり、軒本来の役割を果たすことができなくなってしまうからです。

「腐食の防止」

木材を主に使用して建てられた木造建築は特に水に弱く一度侵入してしまうと腐食しやすい傾向にあります。そのため、防水工事をしっかり行うことで木材の腐食を防ぎ軒や建物全体の耐久性を保つことができます。

「カビやシロアリの発生」

屋根に落ちた雨水などはすべて軒に流れてきます。そこで水分が長期間滞留してしまうとカビが発生してしまったり、何らかの理由によってシロアリ等の害虫が発生してしまうリスクが高まってしまいます。これらの原因である水を防水工事を行い除去することによってトラブルを未然に防ぐことができます。

軒の一般的な防水工事の工法としてシート防水を行うことがあります。防水機能を備えたシートを軒部分に貼り付けて上から塗装などを行います。塗装を複数回に分けて行うことによって防水性能をより高めることができます。さらにその上から仕上げ材の取り付けを行います。これも塗装と同様に防水性能を高めるための重要な役割を果たします。

施工時の注意点として気象条件や使用材料の品質などに着目することが重要です。外での作業になるため雨天時には防水機能が低下してしまうのを防ぐ必要があります。また、塗料を塗布するため乾燥できる気象条件が必要になってきます。さらに使用材料の品質が高いものを使うことで長く使用することができ、よりよい防水効果を得ることができます。

軒の防水工事は必要性があまり感じられないかもしれませんが、建物の耐久性や安全性などを確保するために必要となることがわかりました。小さな部分でも水などが侵入してしまえば大きな被害となる恐れがあります。そのため、適切な防水工事でトラブルの対策を行い良好な状態を保つようにしましょう。